AIと研究ー2026年5月の時点で

tetsu

ちゃっぴーことChat GPT-5.2 thinkingが東大と京大に主席合格したというニュースが入ってきました。

そりゃあ、大学入試は誰かが作った正解のある問題なので、AIにも解けるでしょうというのはその通りだと思います。

大学入試、特に難関校と呼ばれる大学の入試は、知ってるだけじゃ解けず、少し考えさせる問題が多いので、それくらいだったらもうAIでできるということですね。

努力で何とかなるのは大学受験までです。

努力で何とかなることはもうAIでできるということは、努力で何とかなることに価値がない時代に突入したということでしょう。

学会に行って人と話をすると、ほぼ必ずAIの話になります。

(良いか悪いかはともかくとして)学生さんがAIでレポートを書いてくるから、レポートを読んだところで本人が本当に分かってるかどうか分らないといったことがあるようです。

日本語で書きたいことを話して、AIに英語で論文を書いている人もいました。

前も少しお話ししましたが、今年初めにカナダと日本の合同会議に参加しましたが、カナダ側の参加者の研究の多くは、古典的なゲノミクスの実験を行い、それで説明できないことはAIで補うというものが多かったように思えます。

これまでシミュレーションをしてきた人のほとんどは、AIをはじめています。

このように、大学の研究と教育の両方にすでにだいぶAIが入り込んでいます。

研究のオリジナリティーの部分は人間が担当して、作業をAIにさせるアプローチと、研究のオリジナリティーにまでAIを使うアプローチがあると思います。

どちらのアプローチをとっているかということは、人によるようです。

私はというと、AIは全く使っておりません。

それは、みんなが使っているから私は使ってはいけない気がするという直感からです。

20世紀のサイエンスは、物理だったら素粒子、生物だったらヒトゲノムの解読など、世界共通で解かなければならない問題がありました。

問題が与えられていて、それを解く研究ですね。

20世紀の終わり、または、21世紀の初めころにそのようなも問題はあらかた解かれてしまい、21世紀は研究者が自分の分野を作って開拓していく、開拓の時代になりました。

そもそも、今は学会や研究会が年に何回も行われていて、論文もインターネットやアーカイブですぐに共有できる時代です。

ここまで情報が共有されていると、アイデアを思い浮かべる土台が似たり寄ったりということになるので、既存分野や流行りの研究では、何か新しいことを考えたとしても、本質的に同じアイデアを他の人が全く独立に思いつく可能性は十分あるので、新しい分野を拓いていない時点でオリジナリティーは弱いことがほとんどです。

既存分野や流行りの分野で重要な成果を上げている人もいらっしゃいますが、割合としては非常に少ないです。

AIはそれをより明確化したにすぎないような気がします。

新しい分野を見つけるためには、これまでのサイエンスで分かっていること、その延長で分かりそうなことの外側に行かなければなりません。

それを明確にするために、新しい問題を見つけることになります。

まだ、AIは問題を見つけることに関しては苦手なようです。

まあ、今のところは、ですけどね。

私はAIの専門家でないだけでなく、触ったこともありません。

以上は私がちゃっぴーユーザーと話していて思ったことにすぎないので、間違っていることがあってもご容赦ください。

ABOUT ME
山本哲也
山本哲也
キンメダイ美術館のサイエンティスト
電子工学で学位を取得後、理論物理学者になるため、ドイツ、イスラエル、中国で修行。現在は、習得した理論物理学を使って遺伝子発現制御のメカニズムを明らかにする研究をしています。研究だけでなく、趣味やいろいろ考えていることなどお話ししたいと思います。
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