人が崩れるのは長所からー「ちはやふる」に学ぶ
前のブログで、最近まであまりサブカルに触れてこなかった話をしました。
海外での研究の間に、日本人なのにもかかわらずOne Pieceを知らなくて、フランス人にバカにされたこともお話ししました。
2015年に名古屋に帰ってきたとき、ちょうど「ちはやふる」の実写版映画のチラシをよく見たので、この映画を見に行きました。
ちはやふるは、主人公の綾瀬千早ちゃんが高校でかるた部を作り、全国大会を目指す物語です。
スポ根ものですね。
このマンガ/アニメの面白いところは、ご都合主義ではないことかもしれません。
ちゃんと予選落ちしたりします。
かるたは、百人一首の和歌の下の句が書かれた札が使われます。
何枚か自分と相手に配られて、自分に配られた札を好きなように配置します。
読まれた和歌の下の句が書かれた札を取るのですが、自陣の札を取ると、その札が自陣からなくなります。
相手の陣の札を取ると、その札がなくなるのですが、代わりに自陣から好きな札を相手の陣に加えることができます。
追加された札の配置は、相手が好きなように決めます。
先に自陣の札がすべてなくなった方が勝ちというゲームです。
かるた選手は、もちろん、百人一首をすべて覚えていて、最初の文字が読まれたときにとれる札(1字決まり)、二つ目の文字が読まれたときにとれる札(2字決まり)なども覚えています。
千早ちゃんは、耳がよく、最初の文字の子音が読まれた瞬間に(文字が読まれる一歩手前で)、何が読まれるか判断できて、その分他の人よりも早く札が取れる子です。
その特殊能力を使って昇給審査を勝ち上がるのですが、能力に頼りすぎていて基礎が疎かです。
しかし、幼馴染の真島太一くんや、幼少期に対戦経験がある肉まんくん、データを武器に戦う机くん、古典を愛してやまないかなちゃんなどのかるた部のメンバーと練習したり一緒に過ごすうちに、基礎が身に付き、持っていた特殊能力も洗練されていきます。
真島太一くんは、特殊能力を持っていない読者目線で描かれます。
千早ちゃんのもう一人の幼馴染に綿谷新くんという子がいて、彼のおじいさんである綿谷始はかるたの名人にもなったことがある人です。
病床の彼が新くんに教えた、「人が崩れていくのは長所から」というのは、この作品の大きなテーマであるように思えます。
近いことは研究でもあって、新しい実験手法や計算手法を開発した人はそればかり使うようになることは往々にしてあります。
長所って、実はその裏側にある短所が見えてないだけだったりするんですよね。
そのような人は、自分が作った手法が使える範囲で研究課題を選ぶようになり、創造性が失われたりします。
もちろん、新しい手法をどんどん開発し、自分の知りたいことを究明していくクリエイティブな人もいます。
研究者としてはそのような人になりたいですし、教育者としてはそのような人を作っていきたいですね。
ちはやふるは、他にも心に刺さる名言が多く、ぜひ皆様にも読んでいただければと思います。
現在、原作マンガ、アニメ、実写映画がありますが、
原作マンガ アニメ 実写映画
でおすすめです。
原作マンガは、私がテーマと感じる「人は長所から崩れる」ということが感じられるし、名言たちが容赦なく心を刺してきます。
アニメは尺の都合上か、少しだけ省略されていたと思いますが、こちらも十分おすすめです。
実写映画はちょっと違う趣となっていて、私はそこまで好きじゃないですが、好きな人は好きかもしれません。
